
お魚紹介シリーズ「カレイ」|種類の違いと煮付けがおいしい白身魚の扱い方
カレイは、平たい体の片側に両目が集まる魚として知られます。しかし『右向きならカレイ』だけでは、種類まで分かりません。日本沿岸には複数のカレイ類が暮らし、地域によって釣れる種類も時期も異なります。
釣りで身近なマコガレイ、体表に硬い石状の突起を持つイシガレイ、寒い海域で見られるマガレイを中心に、体形、口、表面、側線、尾びれを比べます。
カレイは煮付けがおいしい白身魚としても知られます。魚種と地域の持ち帰りルールを確かめ、食べる分だけを低温で持ち帰ります。
- カレイの体は海底生活に適応している
- 釣りで見かける3種のカレイ
- 3種の違いを同じ観点で比べる
- ヒラメとの違いと雌雄判別
- カレイを持ち帰って煮付けにするまで
- よくある質問
- カレイは目の向きの先まで観察しよう
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カレイの体は海底生活に適応している
有眼側と無眼側がある
カレイの稚魚は初めから完全に平たいわけではなく、成長の過程で片方の目が反対側へ移り、海底に横たわる姿になります。両目がある色の濃い側を有眼側、底へ接する白っぽい側を無眼側と呼びます。背びれと尻びれは体の縁に沿って長く伸びます。
有眼側は砂や泥に似た褐色で、斑点やまだら模様を持ちます。砂へ潜ると体の輪郭が隠れ、目だけを出すこともあります。体色は底質や興奮で変わるため、斑点の濃淡だけを種類判定に使いません。無眼側の色や模様も短時間で確認します。
目の向きだけで同定しない
『左ヒラメ、右カレイ』は大まかな覚え方として有名ですが、魚を頭が上になる向きへ置いた時の目の側を指し、例外もあります。さらに右側に目があっても複数のカレイ類がいるため、種類名までは決まりません。口の大きさ、歯、体表、側線、体形を併せて見ます。
カレイ類は海底で小動物を食べますが、種類により口の大きさや食べ物が違います。一般にヒラメより口が小さく見える種類が多いものの、幼魚や撮影角度で印象は変わります。口だけ、目の向きだけという一項目判定を避けます。
釣りで見かける3種のカレイ
マコガレイ|丸みのある体と細かなうろこ
マコガレイは日本の沿岸や内湾で知られるカレイで、体は楕円形からやや細長く、頭は極端に大きくありません。有眼側は褐色を基調に濃淡のまだらがあり、表面には細かなうろこがあります。個体や底質で色は変わり、黄色味や赤味だけで決めません。
側線は頭の後ろから尾へ伸び、胸びれ付近で緩やかに曲がります。尾びれは大きく、縁に丸みがあります。有眼側にイシガレイのような明瞭な石状骨板は並ばず、マガレイで見られるひれ周辺の黄色味も判別点としては弱いため、体形と細かなうろこを併せて見ます。

イシガレイ|体表に並ぶ石状骨板
イシガレイの名の由来となる重要な特徴は、有眼側の体表に並ぶ硬い石状骨板です。通常の魚のうろこと違う硬い突起状の部分があり、体表のいくつかの列に見えます。個体の大きさや状態で見え方は変わるため、写真では斜めの光で凹凸を確認します。
イシガレイは有眼側のうろこが目立ちにくく、体は比較的厚みを感じることがあります。表面の突起だけを触って確認しようとするとぬめりを落とし、魚を傷めます。持ち帰る個体はトレー上で観察し、放す個体は手早く扱います。

マガレイ|ひれ周辺の黄色味
マガレイは北日本などでよく知られ、楕円形の体に褐色のまだらを持ちます。無眼側やひれの付け根に黄色味が見られる個体がいますが、色の強さには差があります。マコガレイと似るため、体形、側線、口、うろこ、ひれの色をまとめて地域資料と照合します。
有眼側にはイシガレイのような列状の石状骨板はありません。体はマコガレイより細長く見えることがありますが、個体差があるため輪郭だけでは決めません。ひれ周辺の黄色味、細かなうろこ、側線、釣れた海域を組み合わせて判断します。

3種の違いを同じ観点で比べる
体形・体表・ひれを同じ順で見る
- 体形:マコガレイは丸みのある楕円形、イシガレイはやや厚みのある輪郭、マガレイはやや細長い楕円形が目安です。ただし個体差があるため、体形だけでは決めません。
- 体表:マコガレイは細かなうろこと褐色のまだら、イシガレイは列状に並ぶ石状骨板、マガレイは細かなうろこと褐色の斑紋を確認します。
- ひれ:マコガレイとイシガレイはひれの黄色味を主な決め手にせず、マガレイでは背びれ・尻びれ周辺の黄色味を補助的な特徴として見ます。
- 最後の確認:3種とも側線、口、尾びれ、釣れた海域を照合し、一つの特徴だけで断定しません。
似た個体では写真だけの判別が難しい場合があります。持ち帰りや記録で正確な種類名が必要な時は、釣れた地域の公的な魚類資料や専門機関の情報も確認します。

ヒラメとの違いと雌雄判別
口と歯を含めてヒラメと比べる
ヒラメは一般に口が大きく、鋭い歯が目立ち、魚を捕らえる姿に適しています。カレイ類は比較的小さな口で底の小動物を食べる種類が多いですが、すべてを一言で分けられるわけではありません。目の向き、口、歯、体形を組み合わせます。
魚を持ち上げて口を無理に開かせると、針や歯でけがをします。魚つかみを使い、口元は横から目視します。ヒラメの可能性がある魚は、鋭い歯へ素手を近付けません。平たい魚だから安全と考えないでください。
カレイの雌雄は外見だけでは難しい
カレイ類のオスとメスは、通常の釣り場で有眼側の模様や体の大きさだけから確実に判別するのが難しいです。成熟したメスが大きくなる傾向が語られる種類でも、大きさには年齢と個体差があります。腹が膨らんでいることだけでメスと断定しません。
雌雄を正確に調べるには、生殖腺など内部の確認が必要になる場合があります。外見だけで雌雄を断定せず、資源保護のための地域ルールや禁漁・サイズ制限があれば、雌雄にかかわらず守ります。
カレイを持ち帰って煮付けにするまで
ぬめりと低温を管理する
持ち帰る個体は、魚種と地域ルールを確認し、食べ切れる数にします。ぬめりがあり、表面へ砂や泥が付きやすいため、他の魚や飲み物とは袋で分けます。魚体を曲げずに入るクーラーを用意し、氷で挟んで身を強く圧迫しません。
釣れた魚を常温のバケツへ長時間置かず、必要な処置をして早く冷却します。大型個体ではえらや内臓の処置を現地ルールと技量に合わせますが、刃物を不安定な堤防で使わないでください。安全な設備がなければ冷やして持ち帰り、家庭で処理します。
内臓・血合いを除き十分に加熱する
家庭では表面を洗い、ぬめりとうろこ、えら、内臓、血合いを料理に合わせて除きます。カレイの体は平たく、内臓の位置も一般的な紡錘形の魚と違って見えるため、慣れない人は信頼できる調理資料を確認します。包丁作業は安定したまな板で行います。
煮付けは身を崩しにくく食べやすい料理ですが、厚い部分まで火が通ったことを確認します。寄生虫や細菌のリスクは鮮度だけでは判断できないため、生食は避けてください。異臭、著しい身崩れ、種類不明があれば食べない判断をします。
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よくある質問
右向きなら必ずカレイですか?
多くのカレイ類を見分ける目安ですが例外があり、種類までは決まりません。口、歯、体表、側線なども確認します。
イシガレイの石は本当の石ですか?
石が付いているのではなく、有眼側にある硬い石状骨板を指します。無理に削ったり剥がしたりせず観察します。
カレイのオスとメスは大きさで分かりますか?
大きさだけで確実には分かりません。年齢や個体差があり、外見での雌雄確定が難しい種類です。
カレイは目の向きの先まで観察しよう
カレイ類は有眼側と無眼側を持つ平たい魚です。マコガレイ、イシガレイ、マガレイは、体形、口、体表、石状骨板、側線、ひれ周辺を組み合わせて見分けます。
ヒラメとの違いも目の向きだけで断定せず、鋭い歯へ注意します。魚種を確認し、食べる分だけ低温で持ち帰り、家庭で丁寧に下処理して十分に加熱してください。
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